ナチス親衛隊員だった母親の過去を娘(著者)が必死に問いつめてゆく、哀しく壮絶なノンフィクション。
映画『この世界の片隅に』を観てから、戦争は個人レベルの目線で見ていった方が自分の中に落とし込めるものが多いと思ってる。
この本もとても興味深い内容で、そして読みやすかったです。
ナチスが行ったことは残虐非道で、この著者の立場からしても責めるべきはナチスや母なのだが、
戦時下他の国も人をたくさん殺していたわけで、
人を殺したら誉められる時代なわけで、
そんな特殊な世界で生きるのに自分の意思で自分の国のカリスマ的統率者を盲信したとして、
母親の考えは果たして「頭おかしい」と言えたのか。
もちろんナチスに傾倒しなかった人も、そんな世でも流されなかった人は多くいたんだけど。
著者だって、流されてユダヤ人夫婦に暴行してるんだよね。
人を殺したら責められる、きちんと罰せられるこの世界に生きてる自分がこの時代の人を責めるのは なんだかお門違いというか、ずるいんじゃないかとも、思ってしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月25日
- 読了日 : 2021年9月4日
- 本棚登録日 : 2023年11月25日
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