死の泉 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房 (1997年10月1日発売)
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本棚登録 : 364
感想 : 46
5

久々に再読しましたが、今回もこの世界に絡め取られました。面白かったです。
ギュンター・フォン・フュルステンベルク著、野上晶訳の「死の泉」なのですが、あとがきまで作り込んであって最後まで翻弄されます。
第二次大戦中のドイツ、ナチズムと選民思想の酷さと、クラウスをはじめとする研究者たちの狂った人体実験…人体を結合する事で生き永らえるなんて。「我が血は、汝が血。汝が血は、我が血。我が肉は、汝が肉。汝が肉は、我が肉。」…
カストラートは歌声を聴いたことが無いので気になります。
真実にも驚かされました。フランツ、エーリヒ、ミヒャエル…どこまでも翻弄された生でした。彼らのその後が幸せなものでありますようにと思いますが、ひとりはきっと…そして、あとがきでまた心配になりました。
崩壊が美しいラストシーンです。
皆川作品は昏く重厚な世界観に圧倒されます。わたしの言葉では全く足りません。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年1月26日
読了日 : 2019年1月26日
本棚登録日 : 2019年1月26日

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