久々に再読しましたが、今回もこの世界に絡め取られました。面白かったです。
ギュンター・フォン・フュルステンベルク著、野上晶訳の「死の泉」なのですが、あとがきまで作り込んであって最後まで翻弄されます。
第二次大戦中のドイツ、ナチズムと選民思想の酷さと、クラウスをはじめとする研究者たちの狂った人体実験…人体を結合する事で生き永らえるなんて。「我が血は、汝が血。汝が血は、我が血。我が肉は、汝が肉。汝が肉は、我が肉。」…
カストラートは歌声を聴いたことが無いので気になります。
真実にも驚かされました。フランツ、エーリヒ、ミヒャエル…どこまでも翻弄された生でした。彼らのその後が幸せなものでありますようにと思いますが、ひとりはきっと…そして、あとがきでまた心配になりました。
崩壊が美しいラストシーンです。
皆川作品は昏く重厚な世界観に圧倒されます。わたしの言葉では全く足りません。。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年1月26日
- 読了日 : 2019年1月26日
- 本棚登録日 : 2019年1月26日
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