なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方

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  • ダイヤモンド社 (2006年12月8日発売)
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個人的に藤沢数希さんのTwitterやNOTEなどを興味深く拝読していたのと、株をはじめとする資産運用を行っていたことから、ノウハウを得るために通読。当初の目的だった資産の最大化に関する話から金融や株式会社の歴史まで、幅広く勉強になった。

(1)資産の最大化のために(結論)
・資産=①収入-②支出+③金利×貯蓄
→いかに①と③を上げて、②を抑えるかがカギ。
・確実に儲かる方法は存在しない。
・プロの投資家の運用成績は、インデックスよりも悪い
→LTCMというノーベル経済学者集団のファンドでさえ、破綻している。
→市場での主なプレイヤーはプロの投資家。彼らが売買を繰り広げていることで、株価が適正に保たれ、結果的に平均的な運用成績になる。
※プロがいなくなると、適正な株価が保たれなくなる。
→ファンダメンタルズやテクニカル要因もすぐに株価に反映される。
→株価が動くのは、誰も知らない新しいニュースのときだけ。それらはどうなるかわからないから、結局ギャンブルになる。(デイトレも意味ない)
・素人は、あれこれ考えず、なるべく安い手数料と信託報酬で購入して後は何もしないのが一番。
・アンテナを張って、常に何が伸びるかを考え、波が来た時にその波に乗る。
→本屋にノウハウ本が並んでいるころにはもう儲からない商売。
→能力開発する分野を見極め、自己啓発に勤しむこと。(ここが一番難しい)

(2)クレジットカードについて
・クレカの一括支払は1カ月分借金をしている状態。利子の分だけ確実に得をしている(現在価値)
・ゴールドカードの価値はシグナリング効果(異性からもてる)

(3)住宅ローンについて
・5%利子の35年ローンだと、6,000万のうち半分近くが利子
→投資などせずに一日でも早く返済したほうがよい。

(4)債権について
-ゼロクーポン債(割引債)…途中の利払いがないもの
-利付債…毎年利払いが発生するもの

(5)金融業の歴史
・ベニスの商人や時代劇の越後屋(三越の前身)など、金融業は悪役の歴史
・GS等の外資系投資銀行も被差別民族だったユダヤ人が創業したもの

(6)株式会社の歴史
・15~17世紀は大航海時代。
 →ヨーロッパが新大陸を発見した愛とロマンの時代。
 →先住民にとっては破壊と略奪、殺戮の時代
 →航海する船は多大なコストを要することから、そのリスクヘッジのために「東インド会社」が設立された。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌(金融)
感想投稿日 : 2020年4月7日
読了日 : 2020年4月6日
本棚登録日 : 2020年4月6日

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