中央線がなかったら 見えてくる東京の古層 (ちくま文庫)

制作 : 陣内秀信  三浦展 
  • 筑摩書房 (2022年1月8日発売)
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<目次>
対談  近代以前の東京の原型を探る(陣内秀信VS三浦展)
第1部  中野・杉並編
 第1章  新宿~中野…青梅街道から中央線へ移動した軸
 第2章  高円寺…前近代の宗教地域から近代軍事都市へ
 第3章  阿佐ヶ谷…聖域・湧水・古道・河川・釣り堀から読む地域構造
第2部  多摩編
 第4章  国分寺~府中…いにしえの東京を探しに、古代武蔵の中心をめぐる
 第5章  日野…用水路を軸とした農村、宿場から鉄道中心のベッドタウンへ
文庫版対談  「鉄道がなかったら」という視点が新しい郊外を生む!(陣内秀信VS三浦展)

<内容>
雑誌「東京人」(2012年4~9月)の連載を基に出版された本(2012年12月刊)の文庫本化。社会学的な視点と地理学的な視点をクロスオーバーさせ、歴史学的視点をちょっと振った感じ。武蔵野地域が、中央線のなかった時代から発展しており、それは甲州道中や青梅街道沿いからで(中野~国立)、多摩地域は国分寺崖線や日野の多くの湧水がベースであった。最後の対談に、こうした歴史的分析を踏まえて、「古き良き日本」を基にした、町おこしが必要、という示唆は深いと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2022年1月20日
読了日 : 2022年1月20日
本棚登録日 : 2022年1月11日

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