職場付近のマックで成り行きから隣のお客になりすます…というはじまりから、最後はずいぶん遠くまで行く。
生きるために自分らしさを身につけるすべは教わらず、形ばかりで互いの切実さに触れあわない絆しか作ってこなかった人々ばかりが増えていき、自分が死んだことすらわからなくなる。
そんな下等な連中と自分は違うと馬鹿にしているが、馬鹿にしているのは自分のことだから、下等なのも自分自身ということになる。自分で自分を貶めているんだから、この悪循環は終わらない。
でもこんな下等な自分の最後が誰かの役に立っていることに気付き、歓喜するもその時にはすでに…
ユーモアがあって子気味良く読み進められるが、底なしに自分を映し出してくる、気が変になりそうなくらい恐ろしい話。でももっと今の「俺」が知りたくなる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ここ最近読んだもの
- 感想投稿日 : 2023年2月17日
- 読了日 : 2023年2月17日
- 本棚登録日 : 2023年2月17日
みんなの感想をみる