一億三千万人のための 小説教室 (岩波新書 新赤版 786)

著者 :
  • 岩波書店 (2002年6月20日発売)
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これを読んだからって確実に小説を書けるようにはならないと思いますが、そんなことはどーでもよくて、小説っておもしろいなーと思わせてくれます。この人の読んでみよー。

わたしは、人間という、この宇宙に偶然に生まれた、不思議な、けれども取るに足らない存在に取り付いている本能、その中でも、もしかしたらその点によってだけ、他の存在と区別されているかも知れない本能、「ここではないどこかへ行きたい」「目の前のその壁の向こうに行きたい」という本能が、小説を生んだと思っています。ならば、それは、人間の存在とともに古いものです。
p.17

ではなぜ教育とか、学校というものがあるのでしょうか。
それは「一日六時間、みんなで同じ机に向かい、先生が書いていることを書き写す」というような無意味なことを、我慢できるような人間を作るためです。
p.8

あかんぼうは、何かをまず考えてから、ことばにするでしょうか。あかんぼうは、まず、言葉を口にするのです。何度も言葉をしているうちに、そのことばと、ははおやから、あるいは外の世界から教えられる、言葉の意味とが結びつくようになるのです。
p.119

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2010年2月7日
読了日 : 2010年2月7日
本棚登録日 : 2010年2月7日

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