光 (テーマ競作小説「死様」)

著者 :
  • 光文社 (2011年6月18日発売)
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感想 : 9
5

えちごや佐伯さん推薦と言う事で読んでみました。さすがに間違いはありません。何となく喜多川泰さんの「手紙屋」を思い出しました。この作品ではメールですけどね。

今まで学んだ事を、違った言葉で表現してくれているので、一段と実になった想いです。重要なキーワードが多いながらも、ストーリーが軽快で、流れるように読み進めてしまいました。

ありがとうございます。


以下、本書で共感した箇所です。

(page.63)
 充実した人生は、「楽に生きる」ことによって得られるものではなく、「本当の苦しみ」を乗り越えることによってしか得られない。

(page.64)
 どの道を選んでいいのかという迷い、それが心の揺れを生み、迷えば迷うほど、心の揺れは大きくなっていく。・・・心が揺れ動き、悩むのは、本気で意思決定していないからなのだ。

(page.73)
 他者の苦しみが理解できるようになるに従い、これまでとは違った大らかさが僕の中に芽生えてきたような気がする。

(page.76)
 行動すれば、必ず夢や希望に向かうための新たな情報や環境が現われてくる。

(page.81)
 夢や希望を見失ったとき、人は往々にして辛い現実に自分を合わせてしまうものなのだ。これが人生なんだ、これが世の中というもんだ、と自らを無力な方向へと導いていく。

(page.94)
 「苦しみはすべて自分の中にある」ということを受け入れることができるかどうかが、苦しみから自由になれるかどうかの分かれ目となる。

(page.98)
 他者から無責任と言われて腹が立つのは、自分の中に指摘されるような無責任さが存在しているからだ。

(page.111)
 心は、自分の考えたことを、行動に移すことで鍛えられていく。・・・思いと行動を一致させる努力の積み重ねによって、心は育っていく。

(page.138)
 良いことも、悪いことも、すべて自分の中にあるものだから、ぶれることなくあるがままに受け入れればいいのだ。それが自然な生き方だと思っている。

(page.149)
 被害者意識は、自分の中にある「本当の苦しみ」に向かうことはない。現象にしか過ぎない「本当ではない苦しみ」に刃を向けるからだ。結果、対立が生まれる原因となる。

(page.152)
 被害は外からやってくるから、被害を及ぼす外に対して反発したり、闘いを挑むことになる。決して、自分の内面に向かうことはない。それ故、被害者でいる限り、自分の中にある「本当の苦しみ」に気づくことはない。外からやってくる「本当ではない苦しみ」をやっつけさえすれば、それで苦しみ、問題が解決されたと考えてしまう。

(page.160)
 苦しみは、これまでの枠組みという限定した世界を打ち破り、その枠組みを広げさせようとする働きをしているだけなのだ。

(page.161)
 些細なことにこだわったが故に、自ら苦しみを招いてしまうということはよくあることだ。

(page.175)
 人間を成長させる大事なものは、苦しみの中に隠してあると確信した。

(page.192)
 本当の愛、深い愛は、苦しみを乗り越えた先にあるのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年5月18日
読了日 : 2012年1月18日
本棚登録日 : 2012年1月18日

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