残り全部バケーション

著者 :
  • 集英社 (2012年12月5日発売)
3.83
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本棚登録 : 6886
感想 : 948
3

うまいなぁ。
すごいなぁ。
家族会議中に突然届いた1通のメールからぐいっと物語のペースに巻き込まれて、最後まだ降りたくないのにポイッと放り出されるまで、ドキドキワクワクドギマギの読書体験だった。

第一章の「残り全部バケーション」が1番好き。
早坂さん夫婦のノリの良さが好き。
岡田さんの「音楽性の違いとか?」というボケも楽しい。
何よりも残り全部バケーションていう考え方が好きだなぁ。

そして「罪を憎んで人を憎まず」
これがなかなか出来ません。
むしろ真っ先に相手に対してマイナス感情を持ってしまう。

でもこの物語の不思議な大らかさは「罪を憎んで人を憎まず」の精神が土台にあるみたいだ。
かなり危ない状況にいるのに何故か飄々として見える登場人物の皆さんの心には、ガバッと大きなスペースがあるんじゃなかろうか。

私もそうでありたい。
カラリと明るくて、口笛でも吹きそうなくらい軽い、そんなノリで生きていきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年4月10日
読了日 : 2013年4月10日
本棚登録日 : 2013年4月10日

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