良かった。
全てがハッピーエンドとは言えないかもしれないけど、それでも今良かったなと思える。
「人間は、どんなときに絶望という二文字に囚われるんだろう。
たぶん、この世に自分独りきりという気持ちになったときじゃないか。」
その通りだと思う。
私は自分独りきりで出来ることなんて何にもないと断言出来る。
心細くて堪えられないだろうとも思う。
主人公が孤独ではない物語が好きなのは、安心できるからだ。
自分を想ってくれる人がいるということは他の何にも代えられない幸福だと思う。
この物語の主人公はとても優しくて、家族のこと、上司のこと、同僚のことを大切にしている。
自分のことより彼らの幸福と安全を優先している。
そして主人公も同じように大切にされている。
危険を知って走ってきてくれる人がいる。
冗談みたいな困難な状況を前に一緒に悩んでくれる人がいる。
だから最後まで安心して読むことが出来た。とても心強い仲間がいたから。
もちろん物語も魅力的でドキドキさせてくれるし、登場人物も素敵。
特にナタネさんの格好良さは筆舌に尽くしがたい。素敵すぎる。
ナタネさんのような格好いい大人になりたい。絶対無理だけど。
人と人との繋がりは不思議だ。
運命なんてあるのかどうか知らない。
考えたいとも思わない。
だけど、ただの偶然だったとしても、「これは運命だ」と信じたくなる出会いはきっとある。
その出会いを大切にしなくちゃいけない。
私の手で守らなくちゃいけない。
この物語を読んでそう思った。
- 感想投稿日 : 2013年2月21日
- 読了日 : 2013年2月21日
- 本棚登録日 : 2013年2月21日
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