山崎ナオコーラさんの文章は不思議。
いつも必ずドキッとさせられる。
薄暗い部屋のブラインドが上がって太陽の光が射し込んだかのような、3色刷だった世界がフルカラーになったかのような、そんな感覚。
見慣れた風景が輝きをまして、いとおしくなる。
私が立っていたのはこういう世界だったのか、と思う。
いいことばかりじゃない。
みんなのことが好きで、誰からも好かれて、そんな人間じゃない。
でも、だからこそ、心が通い合った時の喜びは大きい。
だからこそ、好きだと思える存在は愛しい。
神様との文通シーンが特に印象に残っている。
率直な言葉のやりとりがとても好き。
神様が「君枝ちゃんは、なんか、熱いよね。」って手紙に書くのを想像して、神様なかなかいいノリだなぁと嬉しくなる。
誰かが神様のふりをして書いてても、本当に神様が書いてても、どっちでもいい。
でも、この人が書いてたら1番嬉しいかもなと思う人はいる。
だから私の脳内ではその人が手紙を書いたことになっている。
本当にいい加減だけど、私の生きている世界は結局私の目と耳と手と鼻と口と足と‥、とにかく私の体が感じた世界だ。
そこを抜け出すことは出来ない。私のままでは。
だからいいんだ。
私の世界に存在する『浮世でランチ』では、こういうことになってます。そう胸を張って言おう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月1日
- 読了日 : 2013年5月31日
- 本棚登録日 : 2013年5月30日
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