池上彰の宗教がわかれば世界が見える

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  • 文藝春秋 (2011年7月20日発売)
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●世界の宗教観と日本の宗教観の違いがよく分かる。日本は決して無宗教なのでは無いこと、むしろ宗教的な意識がしっかりと身についていて、(宗派などに対して)寛容であるが故にそう思われていることがわかった。
アメリカではカトリックの大統領は自ら「バチカン」とは関係ないことを宣言するること、中東への介入(宗教戦争)もプロテスタント宗教国家であるが故。
●仏教はもともとひとびとの生、老、病、死を救うために存在したが、寺が世襲化し、葬儀や法要のみを扱うだけとなることが多くなり、寺離れが進んでいる。近年、直送などが進んでいる背景を考えると納得。しかし、団塊世代の病、老を受け入れるのは非常に難しい(負担が多い)だと感じる。
●仏教には創造神はいないこと、死んだら輪廻の輪に取り込まれ、解脱(悟り)に達することでこの輪から抜け出す(涅槃)という考え方。一方で、キリスト教では創造神(唯一神)がいること、最後に審判により人は地獄か天国に振り分けられるという大きな考え方の違いがあることを再認識。仏教とキリスト教文化圏の文化の違いは、このような宗教観の違いもベースになっているように感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会学
感想投稿日 : 2021年9月19日
読了日 : 2021年9月19日
本棚登録日 : 2021年8月29日

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