艦隊これくしょん -艦これ- いつか静かな海で 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
- KADOKAWA/メディアファクトリー (2014年3月22日発売)
これだよ!こういう艦これを見たかったんだよ!と言いたくなる一品
原作に有る台詞を違和感なく使用しつつ、史実を背景とした要素も含んでいるために艦これファンだけでなく、大戦期の軍艦について色々知っている人は楽しめるんじゃないだろうかという作品に仕上がっている
明確な芯となるストーリーラインが無い代わりに本作で行われているのは各キャラにフューチャーした、いわばオムニバス形式での進行
まずは日向、次に響、金剛、蒼龍と不思議な順番で描かれるのだけど、それぞれの話を最後まで見ればなぜ彼女らが選ばれたのかが判るね
本作は艦これのコミカライズで元ネタとなっているのは大戦期の軍艦。けれど、幾つかの艦名については現在の自衛隊に受け継がれているわけで…
深海棲艦との戦いの中でただ戦うだけじゃなく、護り方などを学び新たな方策を欲していく艦娘達。その想いがまるで現在の自衛隊で運用されている護衛艦の数々に繋がっていくような描写には目頭が熱くなるね
作中で護衛艦が紹介される描写にはちょっと驚いた部分も有ったけど、これによって艦これという作品のコンセプトが明確になっているように感じられた
艦これってジャンルとしては擬人化モノに相当するんだけど、元ネタとなっているのは軍艦と現在の日本においては扱いの難しい代物。だから下手な扱いをしては戦争賛美と受け取られることもあるかもしれない
けれど、本作で描かれているように艦娘が戦う理由を明確に「護るため」であると規定し、それが現在の「護る意志」に繋がっていると描写する
これによって艦これというコンテンツがどのような方針を持って作られているか、よく判るようになっているね
原作ゲームはストーリーが無いためにどういう作品か理解しづらい部分も有ったのだけど、本作を読んだことで艦これがどのような作品かなのか。その理解がより深まった気がした
- 感想投稿日 : 2020年4月4日
- 読了日 : 2020年4月1日
- 本棚登録日 : 2020年3月14日
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