亜人ちゃんは語りたい(6) (ヤンマガKCスペシャル)

著者 :
  • 講談社 (2018年5月18日発売)
4.23
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本棚登録 : 474
感想 : 16
4

あ、妹とかじゃなくて姪だったんだ。そっか、結構年離れているもんな

第5巻で登場した陽子とざしこの謎が鉄男と相馬によって解明されていく第38・39話
ざしこの行為が他人からは陽子が代行しているように見える現象はちょっと意外。京子の首の断面が皮膚に覆われて見えるように、陽子はざしこによって発生する異常を修正する役割を持っているのか
5巻の時点では亜人が登場する世界の中でもざしこの存在は超常的存在だったけど、こうして解明されてみるとざしこを観測できる陽子も充分特異な存在だったと判る
陽子はざしこが見えない空間と見える空間を繋ぐ役割であり、陽子が居るから鉄男も陽子を通してざしこが居る空間を感じ取ることが出来る
相馬が登場すると話のスケールが異様にでかくなる印象が有るんだけど、今回陽子という存在が居たためか割と日常の延長として感じ取れる部分もあったね

そして巻の中盤からは早紀絵のターンと言わんばかりの攻勢
鉄男を女体化させてしまうというちょっと誰得展開(夢)を披露したり、宇垣の助けで鉄男とサシ飲みしたらクルツに見せ場を取られたり。
ただ、そういった思い通りの結果を呼び込めない中でも少しずつ前進する部分はあって。クルツのファインプレーによって鉄男が早紀絵の事をもう少し真剣に考えてみる気になったのは意外

また、この辺りから早紀絵の悩みや問題が少しずつ明るい方へ向かっていく展開は良いね
早紀絵はサキュバスの力が強いから人の多い場所で暮らすことは難しく、力を発現した際の被害を少しでも減らそうと無理な時間で出退勤をしている。それがクルツの助言、鉄男のアイディア、教頭の許可という連携によって宿直室に止まるという形で一度に解決される
教師なら宿直室に止まることはおかしくないし、広い敷地の学校であれば力の影響を受ける者は居ない。これは教職について居なければ叶えられない状況だね

また、教師であれば生徒に良い影響を与えたいと思うもの
しかし、早紀絵は特に理由なく教師になったと鉄男に言う。一日一日こなして行くのもやっとと述べる早紀絵。でも、生徒からすればその一日一日はとても貴重なわけで
早紀江がこなして行くのもやっとだと思っていた毎日が雪に影響を与えていたと判る。あの雪が鉄男よりも早紀絵に憧れて教職を目指したいと訴えるのは意外だったかな
ここで早紀絵が雪の発言に驚くだけじゃなく、雪を励まし教職になりたいという意志を応援すると全力で訴え返す展開は本当に素晴らしい

第42話ラストでも第43話ラストでも早紀絵は「教師になってよかった」と言う。でも、その2つの言葉に込められた意味合いは全く違うわけで
早紀絵の努力が報われたと複数の方向性から見えてくる展開はとても巧いと感じられた

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2019年7月27日
読了日 : 2019年7月26日
本棚登録日 : 2019年6月29日

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