終わりのセラフ 5 (ジャンプコミックス)

  • 集英社 (2014年5月2日発売)
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本棚登録 : 1291
感想 : 14
4

戦場でミカエラに出会ってしまった優一郎。それは衝撃としてありつつも衝撃だけで終わらせない姿勢が素敵
これまで家族を殺した吸血鬼への復讐で動いていた彼が、ミカエラの生存をきっかけに彼の救済を考えるようになる。それはシノアが言うように生きる目的が変わったに等しい事象だね。
そういった変化があれば自然と優一郎の周囲に対する態度も変わっていく
また、前回の戦いであれだけの異常事態を見つつも優一郎への態度をそれほど変えないシノア隊の面々もいいね

そんな中で描かれるのは日本帝鬼軍の中枢にいる柊家の闇と鬼呪装備の更なる力
そのどちらのシーンでも聞こえてくる「人体実験」というワードは何とも嫌な響きだね。そして主人公である優一郎が人体実験の結果、強い力を有することになったらしいとなれば自然と物語全体への印象もおどろおどろしいものになる
だからこそ、そのような状況で発せられる「家族」や「仲間」という言葉が活きてくるように思える
グレンは全く信用ができないタイプにしか見えず、優一郎を利用価値が有るから助けたと言いつつも「俺のことも含めてここに居る仲間はもう家族だ」と言ってしまう
そして君月も与一も「仲間」であることを理由に戦場で起きたことを隠し続ける行為に反対する。つられてシノアもいつの間にか仲間や友達を大切にしたいと思うようになっていた

友達なんて要らないと思っていた優一郎を中心として、シノア隊がいつの間にか強い絆で結ばれるようになっていた変化は素晴らしいね

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2019年9月9日
読了日 : 2019年9月9日
本棚登録日 : 2019年9月7日

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