14歳からわかる生活保護 (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社 (2012年10月20日発売)
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どういう人であっても人権が守られるのが制度であり法律であるべきなので、そこに個人的な「あいつは嫌いだ」という感情をもちこむべきではない。生活保護は無差別平等で、今困っていればどんな人でも受けられる。極端な話、昨日ギャンブルで100万円使った人でも受けられる。(中略)そうじゃないと生存権は守られない。そこと好き嫌いの問題は別です。(p87)

今の世の中は、一言でいうと「とにかく一人でも多くの人を蹴落とし、より多くの利益を生み出す者のみに価値があるのだ」というような、身も蓋もない価値観に支配されている。(p142)

スウェーデンの場合は、高齢になったら年金があるし、障がいを負っても年金があるし、アルコールや薬物で依存症になってもちゃんと税金による援助がある。そういうふうになっているので、まず貯金をする必要がないんですね。もちろん教育は全部無償。保育も無償です。大学はほとんど利息のつかない奨学金が出ます。奨学金は授業料だけでなく、生活費も出るんですよ。だから何歳からでも大学に行ける。(中略)そうなってくると、いつまでも可能性にチャレンジできますよね。だから税金は高いんですけど、個人責任でやる範囲ってほとんどないわけです。国民はそれで納得している。社会保障を充実させるというのは国是ですから。スウェーデンで一番大事なことは、どの家に生まれたかによって教育の機会が不平等であってはいけないということです。貧しい家に生まれたために教育が受けられないということがあってはならない。(p169)

読者の皆さんに言いたいことは、常に弱い人の立場に立って考えてほしいということです。人間は誰しも弱みを持っているし、だけど可能性も持っているわけだから。弱い人の立場に立てば、「なぜそういう状態になっているのか」がわかると思います。(中略)だから、本当の事実を知って、弱い人の視点に立ってほしい。それが一番言いたいことですね。(p181-p182)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教育専門書(図書館)
感想投稿日 : 2015年2月18日
読了日 : 2015年2月17日
本棚登録日 : 2015年2月17日

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