古本で購入。
「そうそう、そうなんだ清水さん」と著者に共感を覚えずにいられない。
数年間、塾で国語を教えていたからわかる。小中学校の国語はかなりヤバいのである。
たった数年間、塾で国語を教えていただけでわかる。
と言うか、そんなのは自分が教わってたときから知ってた。
僕は国語が好きだけど、国語の授業は嫌いだった。
たとえば、意味があるのかさっぱりわからない精読。
「獅子狩紋錦」は確かにおもしろかった。でもこれを何時間もかけてじっくり中身を見る意味が僕にはわからなかった。
「『獅子狩紋錦』だけ読めても他の文章を読み解けるわけじゃないからなぁ」という嫌なガキだった。
いやまぁそれを読むずっと前からだけど。
たとえば、どんな小説も道徳的な結論になるところ。
「夏の葬列」は確かにおもしろい。 だけどこれは「一度背負った罪からは逃れられない」とか、そんなことなのか?
それまでの教科書の文章にはなかった読後感をそんなもんで片付けていいのかと思った。
著者も言うように、国語の授業は特に小説単元で「あやうい」し、「道徳教育になっている」のがいかんと思うのだ。
小説は読ませろ。でも感想の誘導はするな。
感想文だったら、とにかく思ったことを書かせりゃいい。
「オツベルと象」で、「俺の方がオツベルよりうまく象を使役してみせる」などと書くやつがいても、丸をあげればいいじゃないか。
その生徒は間違いなく「自分の感想」を書いたんだから。
小説の単元なんてのは、「語彙習得と読書体験の積み重ね」程度でいいんじゃないか。
あと文学史。小ネタを挟むと食いつく。
国語は子供が自分から本を手に取るための入口であるべきだ。
感想文は云々と言ったが、その「思ったこと」をロクに文章にできない子供が山のようにいることが問題なのであって、学校の国語の授業はもっと「自分の気持ちを相手に伝える文章・話し方」の練習をさせるべきなのだ。
問題を解かせて自分がなぜその答えを書いたのかすら説明できないのはマズいと僕は思う。
などと無意味に語ってしまった。
もちろんそんな内容だけじゃなくて、国語にまつわるおもしろい話が載ってます。
それにしても、著者の言うとおりやはり国語は「学科の王様」なのだなぁ。
- 感想投稿日 : 2013年7月18日
- 読了日 : 2013年7月18日
- 本棚登録日 : 2013年7月18日
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