いや、最も興味のある内容だし、おもしろいはずなのです。けれど、読んでいると寝てしまっている。その繰り返し。電車の中で立って読んでいればいいのですが、座るとほとんどダメです。そんな中、眠気が吹っ飛んだのは最終章の少し手前、「個人差と教育環境」という節です。引用します。「何らかの望ましい素質のある人には自由な環境を与え、素質のない人には手厚い教育的な手助けが継続的に必要」「仮にあなたが数学や語学の才能があって、ふつうにしていても周りの人たちよりもそのことに強い関心が向いてしまったり、自分からどんどん学びたいことが出てきてしまうようなら、役に立ちそうもない先生の指導など無視するか、自由にさせてくれる先生の下で、自らの関心に従って学習を進めたほうがいい、しかし才能が乏しくて、自分から進んでやる気にならなかったり、やってもどうしてもわかるようにならないとしたら、厳しい先生や上手な先生の導きに従ったほうがいい」「憂慮する必要があるとしたら、才能があるのに、それを自由に伸ばすのを妨げる教え方に無理やり従わせようとする先生や学校の下にいる人、あるいは才能がなさそうという理由からよい教育を受けることを放棄させられている人です。」ふだんから感じていたことが的確に表現されています。生徒ひとりひとりをしっかり見て、それぞれにあった指導をしていく必要があるということでしょう。こちら側の指導のしやすさから、全員に同じ課題を与えるということも慎まなければなりません。また、前半には、学業成績について、遺伝が50%、環境が30%、本人の努力で何とかなるのは20%程度という記述もあります。努力が続けられるかどうかも遺伝だったりする可能性がありますから、なんともやるせない結果です。我々ができることは、本人が努力しやすい、よりよい環境を与えてあげるということなのでしょう。子どもたちのもっている遺伝的な素質を見抜くことも必要になるでしょう。そのためにも、つねに子どもたちと向き合っていたいものです。
- 感想投稿日 : 2018年10月18日
- 読了日 : 2023年7月6日
- 本棚登録日 : 2018年9月23日
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