ケアの社会学――当事者主権の福祉社会へ

著者 :
  • 太田出版 (2011年8月4日発売)
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本棚登録 : 347
感想 : 13

2段組500ページの大著でした。結局、3ヶ月くらいかかって読んだので、前半はすっかり忘れてしまいました。書評を見て、図書館に購入してもらい、それから1ヶ月ほど待って、2週間で前半を読んで、いったん返しに行ったら、他にもリクエストをしている人がいて、また1ヶ月以上待たされて、その後3週間かけてようやく読み終わりました。いろいろと批判されることも多いようですが、私は全体的に学ぶことが多かったと思います。ケアについての概論から、具体的な社会での取り組みまで。生協とワーカーズ・コレクティブのこと。富山の「このゆびとーまれ」の取り組み。秋田の「ケアタウンたかのす」で何があったのか。さらにはグローバリゼーションとケアについて。私自身は「自分は外で働いて稼いでくるから、おまえは家を守ってくれ」というような発想はもともと持っていないのですが、たぶん、マルクスにしても大半の政治家の皆さんたちも、そういう発想の下で政策に取り組んできたのだろうということが分かりました。それでは、もう立ち行かなくなってきているのだろうということも想像できます。2000万人からのゆるやかな連帯ができ、老障幼統合のユニバーサルな社会サービス法ができあがることを期待しています。さて、自分自身のことに置き換えて考えてみると、あと数年ほどで介護が必要になる老親をかかえる可能性もあります。そのとき自分はどうするのか。家族はどうして行くのか。現状では思考停止している状態です。そのときになってみなければ分からないというのが正直なところです。手元に置いておきたい本ですが、図書館にお願いしてしまいました。文庫になっている「家父長制と資本制」の方は購入したいなあと思っています。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 上野千鶴子
感想投稿日 : 2014年10月29日
本棚登録日 : 2014年10月29日

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