応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2016年10月19日発売)
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感想 : 289
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難しかった。

この本は戦乱の中心地の京都ではなく大和国の興福寺の別当の二人、経国、尋尊から見た応仁の乱を記録したものを中心に書かれている。興福寺は守護が置かれず、実質的に興福寺が大和を治めていた。戦乱についてもだが、世間の噂や興福寺の所有する荘園の年貢の徴収など、いろいろと書きつけていたようだ。

人の世むなし(1467)応仁の乱、くらいの知識しかなかった私なので、難しく思えたのかもしれない。
家督相続争いが重なり、そこに所領問題が関係して、戦乱が起こっていったが、犠牲が出ると、それを埋め合わす何かを得ないと戦を止められない、という気持ちがどんどん戦を長引かせてしまった。仲間を引き入れると、さらに埋め合わす何かが必要になって、ますます戦乱が長引く…。そこは現代と同じかもしれない。

また敵の補給路を断つ、というのが戦いに勝つ手段というのが昔も今も変わらないのが面白かった。戦いというのは武力だけではない。

名前も知らない武将が沢山出てきたが、畠山義就に関してはドラマにしてもいいんじゃないか、というくらい傑出した武将だったと思う。畠山氏の家督相続が応仁の乱の一因であることは間違いないと思うし、日野富子じゃなくて、畠山義就を中心にしたドラマのほうが面白いと思うけどなあ。

山名宗全が畠山義就の肩入れを御霊合戦の時にしてしまったのが、山名宗全と細川勝元の決裂の引き金なんて、武士はメンツで生きているんだなあ、とつくづく思う。


あと山名宗全と細川勝元の年齢差が驚きであった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月23日
読了日 : 2021年9月23日
本棚登録日 : 2021年9月23日

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