日本銀行 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年7月10日発売)
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感想 : 25
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おれが学生時代にリアルタイムで追いかけてた米国の金融緩和や、今話題のアベノミクスについて触れてる上に、中央銀行の起源や歴史、役割といったものにも触れていて面白かった。
中央銀行の最古はスウェーデンのリクスバンク、中央銀行像を作り上げたのはイングランド銀行なんてトリビア。大恐慌というトラウマとを抱えるFRBとハイパーインフレというトラウマを抱えるECBの違いなど、それぞれのトラウマが中央銀行の行動様式に与える違い。日本銀行創設からの歴史と業務、バブル期までの金融政策からバブル崩壊後のゼロ金利政策や量的緩和など。デフレ脱却の理論として貨幣数量説やベビーシッター協同組合の寓話の紹介。中央銀行と財政政策の関連性として、ECBとソブリンリスクの話や日本の財政持続性の話。またアベノミクスの分析として、体温に過ぎない物価を温めようとするのでなく、機動的な財政運営、民間投資を促進する成長戦略からなる三本の矢に加えて財政の持続可能性が必要であり、社会保障などで抜本的な改革が必要とする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2013年9月4日
読了日 : 2013年9月4日
本棚登録日 : 2013年9月4日

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