常盤新平の『遠いアメリカ』の中で大きく扱われていた小説。アーウィン・ショーという作家すら知らなかったが、どんなものだろうと読んでみた。
言いようもなくとにかく素晴らしい。ニューヨークという都会に暮らす人々の微妙なノスタルジーが繊細に表現されていて、フィッツジェラルドやピート・ハミルを読んだときのような胸をえぐる痛みと胸騒ぎがあった。
アーウィン・ショーは自分が生まれる一年前に死んでいて、表題作は1937年の作品だが、都会人の孤独と、青年期を懐かしむ愁いの気持ちは現代と何も変わらない。東京やニューヨークという都会人で暮らす大人にしか分からない感情を絶妙に表現した小説。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月30日
- 読了日 : 2013年12月30日
- 本棚登録日 : 2013年12月30日
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