強い有色人差別の中、生活基盤をゼロから築き上げ米国への忠誠を誓ったにも関わらず日米開戦と同時に全てを奪われ、翻弄されていく日系移民の生き様を描いた作品。
パールハーバーアタック後、12万人の日系移民が砂漠の強制収容所に送られ、その中には米国生まれ米国育ちで米国籍を持つ日系二世や、先の世界大戦で名誉勲章を大統領府から授与された日系軍人も多くいた。
国とは何なのか、国籍とは何なのか。同民族間の対立がどれだけ悲劇的なのか。戦前の有色人種差別の実態。
今の日本では平和すぎて想像が及ばないテーマを、二重の祖国をもちそれ故に狭間で苦悩する日系人の描写に否が応でも考えさせられる。
山崎豊子の作品は質量共に重く、読むには覚悟がいるけれど読み出すと一気に止まらなく引き込まれてしまう魅力がある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年5月24日
- 読了日 : 2014年5月24日
- 本棚登録日 : 2014年5月20日
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