上海視察を控え、中国そして上海の歴史のお勉強のために一読。おそらく通常の中国史の中では異端扱いされてきたであろう上海の歴史に、本編の半分が割かれているのが特徴。(それゆえ本書を手に取ったのですが。)
人、風土、歴史という背景から、まずは中国を読み解いていくのですが、この辺りは教科書的でやや退屈。でも上海編に入ると、租界当時のヨーロッパ文化と融合した映画産業や、ダンスホールなどのカルチャー、当時としては画期的な「女性」の活躍等がこと細かく描写されていきます。
最終的な結論として、中国がこれから向かうであろう先を「歓楽」とまとめることで、ここまでそれを先導してきたであろう上海にここまで比重を置いてきた意味がようやく判明。北京五輪以降の動向までを含めて、「中国」に関する最新の定番テキストになりそうな予感のする名著ではないか、との読後感を得ております。斜め読みした教科書的な部分も、もう一度おさらいしなくちゃ。
2009.12
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
地理・地学
- 感想投稿日 : 2010年4月30日
- 読了日 : 2010年4月30日
- 本棚登録日 : 2010年4月30日
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