薔薇いろのメランコリヤ (角川文庫 こ 3-4)

著者 :
  • KADOKAWA (2003年11月22日発売)
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本棚登録 : 113
感想 : 15
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小池作品の文章って本当に美人だなぁと思います。すっと背筋の伸びた美人な文章。でも美人な女の人って綺麗だけどそのせいで近寄りがたくもある。この作品は特にそれが顕著な感じがします。
初めて読んだときは大学生だったけど、エマの「あなたとは、たくさんの男、共有してたわね」って言う言葉が大人っぽくて素敵で、エマにそう言わせた野乃ってすごいなと思いました。大人なエマにそんな風に言われる野乃に憧れました。それは今でも変わらないです。
ただ、野乃の歳を超えたら今度は野乃の幼さが目立つような気がしてならなくなりました。
大人のエマと野乃ではなく、エマと子供の野乃という感じです。
作品を通じてエマの魅力を語り続けた野乃だけど、これはエマに魅せられ憧れた野乃の青春小説なのかもしれないと思いました。ラストはどことなく甘酸っぱく、そしてほろ苦い不思議な気分でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小池真理子
感想投稿日 : 2014年7月7日
読了日 : -
本棚登録日 : 2014年7月3日

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