裏切り (新潮文庫 フ 13-21)

  • 新潮社 (1991年7月25日発売)
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感想 : 3
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ジャネット・ストーンは病で夫を失い、失意のどん底にあった。そんな中、パーティーで知り合ったジョン・シェリダンとの交際が始まり、やがて婚約に至る。幸せの絶頂の中、シェリダンのレバノンへの転勤を知らされ動揺するジャネット。無政府状態の国からの帰国を待ちわびることになるが、シェリダンはテロリストグループに誘拐されてしまう。しかもジョンは国務省勤務のはずが実はCIAの工作員であることを報道で知らされる。

ここまではわくわくさせられたのだが、主人公が単身現地に乗り込もうとする辺りからこの女性にうんざりしてきた。巻末の解説で「主人公ジャネットの行動は一見無謀とも思われ、はらはらさせられるが、いかにも欧米女性らしい気丈さと、独りよがりな一面はあるものの、正しいと信じたことでは一歩も後に引かないひたむきな姿勢は読者の共感を呼ぶに違いない」とあるが、私は全く共感できない。ひたすら無分別で場当たり的、そのうえ気位は高く、周囲の真っ当な忠言をことごとく女性蔑視の表れと決めつける鼻持ちならないヒス女にしか見えない。しかもやることなすことヘマばかり、最後には背徳行為にも及ぶのだから、初めの同情心は消し飛んでしまった。おそらくフリーマントルのことだから、そのように描いてるんだろうけど。読後感は爽快とはいかない一作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スパイ小説
感想投稿日 : 2023年9月3日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年10月14日

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