新書345 第四の消費 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版 (2012年4月13日発売)
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第四の消費

共感する部分がとても多い。簡単に「モノよりコト」と言うが、なぜそういう消費志向になったかを歴史をたどって解析してくれている。
ただ、シェアは単にお金がないから所有できないだけでは?とも思う。
自分も車は持っていないが、お金があればシェアではなく、ぜひとも所有したい。

・団塊世代は第二の消費世代なので、もっと大きなものを界、私有することが幸せだという価値観が心に刷り込まれている。
・団塊世代と新人類世代は全く異なる特徴を持った世代だが、物質主義的な傾向が強いというところは共通している。
・第四の消費世代の健康志向は、人生全体を見なおさないと健康は得られないという思い
・新しいものをつくらなくても、古いものだけで消費者が十分満足する時代(大衆文化のストック化)
・現代の消費者(特に若者)は「複数の自分」を持ち、そのうちひとつを必ず「みんなと同じ自分」、つまり「同調する自分」として持っている。
同時に彼らは「人と違う自分」、つまり「差別化する自分」を持っている。「同調する自分」に訴求すればメガヒットが生まれ、
「差別化する自分」に訴求すればセールスは極小化する。逆に、「ひとつの自分」の時代のような中くらいのヒットが生まれにくくなる。
・欲求の基本的な源泉は不足である。食べ物が多様に大量に目の前に存在し、それを自由に選択できるにもかかわらず、
むしろそれだからこそ、かえって食べることが面倒になっている。
・モノを持っていることの満足ではなく、情報を知っていて、それを他と分かち合う利他主義的な満足(モノ<コト)。ある意味社会志向。
・転勤族の子どもが多い世代になると、生まれた地域、育った地域によって自分の性格が形成されたという意識が弱い。
いわば「故郷喪失」の世代。そういう世代はだいたい1960年代生まれから増えるが、彼らにとって共通の故郷はどこかといえば
「日本」ということになり、こうしたことが、若い世代に日本への愛を生み出す背景にあると思われる。
・2035年 20代1046万人 65-89歳3293万人 若者1人に対して高齢者3人
・我々は第二第三の消費社会において、あまりにもお金がなければ生きていけない社会を作ってしまった。
そのことへの反省が第四の消費社会の基調低音をなしていると言えるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年12月9日
読了日 : 2012年12月4日
本棚登録日 : 2018年12月9日

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