シティ・マラソンズ (文春文庫 み 36-3)

  • 文藝春秋 (2013年3月8日発売)
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陸上選手やバレリーナ、かつて第一線をめざしていたアスリートが今になってシティマラソンで走ることになった。そこで見つめる自分とは。気鋭の作家3人によるオムニバス。

アスリートのその後を描く、三つの都市を走る物語

というのが紹介文で、近藤史恵さんが作家に名を連ねていたことからあまり深く考えずに「サクリファイスの関連の話なんじゃないか」と勝手に思って読んでしまったら全然違った。ということで、ちょっとだけ期待はずれだったけど(誤爆)三者三様の話がとても良く、結果楽しく読めてしまって何も問題はありませんでした。
書いている作家は三浦しをんさん、あさのあつこさん、近藤史恵さんの3名。いずれも人気と実力のある作家さんなのでハズレは想定しなくて大丈夫。近藤さんは得意の屈託で攻めてくるし、お気楽な話の入り方で余白たっぷりの楽しい読後感を残してくれる三浦さんもさすがです。あさのさんの書くお話は実は初めて読んだのですが、これもいい話でした。でももう少しすっきり読ませられるんじゃない?という感想です。
僕は走ることには愉悦を感じられない人なので登場人物たちの「走るって楽しい・ステキ」という部分には共感しづらいものがありますが、シティマラソンという、誰もを受け入れてくれる世界観を温かく描いて見せてくれて、心温まる本になっていました。でもこれ実はアシックスというスポンサー付きの企画でもあるので油断してはいけないのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月18日
読了日 : 2023年8月18日
本棚登録日 : 2023年8月18日

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