東日本大震災で被災した犬、かすかな絆を求めて長い長い旅に出る。そこで関わる人々とのオムニバス。
犬好きのハードボイルド作家、馳さんの直木賞受賞作です。
馳さんの作品はエッセイ以外読んだことはありませんし、情報としてもバーニーズマウンテンドッグが好きで多頭飼いしてるくらいしか知らないんですが、しょっぱなから慣れた手つきでハードボイルドテイストで、ちょっと想像していた話と印象が違っていました。中盤あたりからは最後の結末もだいたい予想の範疇に入って来るし、ああ、やっぱりこのイベントでこうなるのか、という、安堵よりは落胆の方が大きな終わり方で、個人的にはあまり楽しめないし共感もしづらいお話でした。
一つ一つのエピソードはそこそこ楽しめます。どこにも救いが無い「老人と犬」が割と好きです。が、とにかく立ちまくる死亡フラグが読んでいて苦しいし、とってつけたようなラストの救いもすとんと腑に落ちるものではなかったのが残念でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年8月10日
- 読了日 : 2023年8月10日
- 本棚登録日 : 2023年8月10日
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