恥ずかしながら、わたしは、嶽本野ばらをずっと女性だと思っていた。
野ばらの作品を読んだことはなく、見た目の繊細さのみで判断していた。
だから、このエッセイで一人称が「僕」と書いてあることにひどく違和感を覚え、女性で一人称が「僕」か・・・となかば読むのを諦めようとしたら、なんと、男性だった。気づいてよかった。違和感はなくなり、最後まで読むことができた。
一人称に対しての違和感はなくなったけれども、それでも野ばらは女性らしい(乙女らしいと言ったほうがいいのかな…?)。
見た目が繊細だと思ったらほんとうに性格も文章も繊細な人らしく、可憐で、散ってしまいそうな雰囲気を残しつつも、力強さ、陰湿さも垣間見える。
純粋さゆえに崩壊してしまいそうな自我、愛している人へ向けた恋情に、男性の持つ明るさはないに等しい。この人は、本当に乙女なんだ・・・!
作者は、カラッと乾いた晴れの日よりも、じとじとと湿っぽい曇りの日が似合うだろう。それこそ、乙女の特権というものなんだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月19日
- 読了日 : 2013年12月12日
- 本棚登録日 : 2013年12月12日
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