新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)

  • 講談社 (2011年5月13日発売)
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本棚登録 : 1048
感想 : 83
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めずらしく風邪をひいたムーミンパパ。今自分がいなくなったら、胸の中にある、あの若き日の思い出はどうなってしまうのだ! そこでママが提案した、「思い出」の記の執筆。後世に残るべき幼年期から自由への旅立ち、仲間たちとの出会い、大冒険の果てにママとの劇的な出会いを果たすまで……時々ムーミンやスニフやスナフキンたちに語り聞かせながら、ムーミンパパが綴ります。知られざる若き日のパパたちの物語。

今語られるムーミンパパの知られざる物語! ムーミン知識皆無の私ですからみなしご設定だったのか、とかヨクサルはスナフキンのお父さんなのか、とかいろいろ知れて面白かった。ヘムレンさんはあの切手収集のヘムレンさんとは違うよね? 虚実入り交じって書いてるのはわざとなんだろうけど混乱してしまう。フィリフヨンカが本当の名前なのかな……でもフィリフヨンカさんてこの先出てくるよね? この辺なんなんだ…
若い頃の冒険物語。ヨクサル何もしてないけど(ロッドユールもたいがい足を引っ張ってるけどw)パパの若さ――若さ故の愚かさも勿論――があますところなく発揮されてて面白かったです。でも全ての冒険が終わったあとでみんなが無関心になって、それを嫌っていたムーミンパパもいつしかその暮らしに馴染んでしまって、次第に何も考えないようになっていったっていう最後の辺りは、身に覚えがあるというか、こういうことってわりと人間にも起こってるよなあ……っていろいろ考えてちょっと凹んだ。そんでもこのあとにママとの出会いがあるんだけど、夜の海に出た時の何かが起こる予感、みたいなものってすごく好きだな。
現在と過去が交互に語られるのは好きな形式。そんでパパがムーミンたちに話して聞かせてるって設定も好きですね。でもでも何より好きなのはエピローグでフレドリクソンたちが登場したこと! こういうの私弱いんですよね~~! すごい感動しました。今後のシリーズにまた出てくるのかな? ムムリク親子好きなのでヨクサルとスナフキン一緒の場面に出してほしいわ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2015年7月26日
読了日 : 2015年7月26日
本棚登録日 : 2015年7月20日

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