伯爵と妖精 祝福の子か夜の使者か (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社 (2012年8月31日発売)
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感想 : 29
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記憶を失ったエドガーに改めてプロポーズされたリディアだが、未婚だと思われている自分のお腹に子供がいると知られては……そんな中、プリンスの組織に囚われているフランシスから手紙が。手紙の暗号をもとに調査に向かうニコとレイヴン。その一方で、リディアの母・アウローラの故郷に向かったリディアの父・カールトン教授が見たものとは…

祝リディア懐妊確定!! いやはやほんと嬉しいけどそう喜んでもいられない事態。でもリディアがお腹の子を守るためにもう母親!って感じなのがとてもかっこいい。
前にここで書いた仮説に、本当の青騎士伯爵とはシーリーコート・アンシーリーコートつまり善悪両方に通じる必要があるのではないのか、だからリディアとエドガーが一緒になるのがむしろふさわしい形なのだ、というのがありましたが、もうまんまビンゴでしたね。というか大方の読者さまがそう読んでるだろうけど…そう、光があれば闇があり、闇があれば光があるように、何かが独立して存在していることはないわけですから。
リディアが妊娠してることにショックを受けるエドガーと、それ以降の二人のやりとりは読んでて実につらかった……いや最終的には見せられないよ的なことをやってるんですけど。こらこら妊娠中だぞ。はあはやくエドガーに元の記憶が戻ればいいなあと思う。戻らないまま終わるのなんてやだなあ。
エドガーがポールの絵を見ていろんな記憶を取り戻しかけるところはすごい鳥肌きました。それとクライマックス、燃える列車の中カールトン教授を救うところで過去のシルヴァンフォードの最後の記憶がフラッシュバックして重なるところとか本当に巧みな演出で思い出しても鳥肌。よくある手法だといわれればそれまでですが、どうか失敗しないで! エドガー、今のあなたならお父さんを、もう一人のお父さんであるカールトン教授を助けられるよ! がんばって! 負けないで! と読みながら必死に応援していました。ここらへんは流れるように食い入るように読んでましたね。すごい入り込みました。もしかしたらはくよー読書中今までで一番のめり込んだかも。
リディアが無事に出産出来るといいな。伯爵家のみんながいれば悪魔の子なんかうまれないよっ! 続きが楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2012年10月27日
読了日 : 2012年10月25日
本棚登録日 : 2012年10月23日

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