久し振りの鳴沢シリーズは外伝でした。
別シリーズも含め、過去の登場人物たちがそれぞれの視点で鳴沢を語る短編集という趣向は、本編が鳴沢の一人称で書かれているだけに斬新です。
鳴沢からすれば当たり前に筋の通った行動をしているつもりであり、本編ではいちいち理屈をつけて語られていたものが、こんな風に視点を変えてみたら単なる融通の利かない変わり者の暴走でしかないことを改めて気付かされた。一方で、それぞれの語り手が鳴沢に対して抱いている印象が、関係性によって微妙に違うところも面白い。
そういった意味で短編集ならではの良さを存分に活かした作品だと思う。
シリーズ本編より本書を先に読んでしまうような羽目にならずに良かった。
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- 感想投稿日 : 2013年9月9日
- 読了日 : 2013年9月9日
- 本棚登録日 : 2013年9月8日
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