宮本武蔵(五) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社 (1989年12月5日発売)
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本棚登録 : 731
感想 : 45
4

再会してまたすれ違う第五巻。

吉岡一門との決闘に勝利し、
お通と再会し、又八と和解する武蔵。
めでたしめでたし…と思いきや、
お通とは再会してもすれ違い、
又八は相変わらず周囲に流される。
朱美は相変わらず運命に翻弄される。
そして裏で糸を引く佐々木小次郎。

ヒーローヒロインである武蔵とお通よりも
人間らしい又八や朱美に共感を覚えてしまい、
本当の悪である佐々木小次郎には腹が立たず、
流されるだけの又八にイライラしてしまうのは、
悪に惹かれて弱きを憎む人の業なのだろうか。

今更ながら、見事な人間模様が描き方である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年1月15日
読了日 : 2016年1月12日
本棚登録日 : 2015年10月20日

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