白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2014年2月25日発売)
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本棚登録 : 1002
感想 : 43
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美人会社員が惨殺された不可解な殺人事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まった。同僚、同級生、家族、故郷の人々。彼女の関係者たちがそれぞれ証言した驚くべき内容とは。「噂」が恐怖を増幅する。果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも―ネット炎上、週刊誌報道が過熱、口コミで走る衝撃、ヒットメーカーによる、傑作ミステリ長編。

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SNS上の出来事を描写している作品を読んで見たいと思い手に取りました。それを描写して物語を構成するというよりは、SNS上そのものの素材はキャプチャで貼って活用し、本編はまた別の形式で進める作品でした。
物語内では、白ゆき姫とされる人の殺人事件にまつわり、複数の登場人物がインタビュー形式で語ります。各人の性格、男女の性差、立ち位置、考え方によって一つの事象をそれぞれで捉え、利害、偏見、先入観、嘘で表現が模られます。
容疑者に感情移入することも良いですが、客観的に、善意にせよ、悪意にせよ、ある種の見苦しさを感じながら読み進めると、滑稽さに興味深く読めました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年1月18日
読了日 : 2016年1月18日
本棚登録日 : 2016年1月14日

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