樹上の銀 (fantasy classics 闇の戦い 4)

  • 評論社 (2007年3月1日発売)
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本棚登録 : 84
感想 : 10
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読みにくかった……!
アーサー王伝説はそこそこ知ってるけど、当然のようにイングランドでの地方戦の話とか、有名な海賊とか出てくるし、まあ、日本人が織田信長のエピソードや義経と弁慶を知っているようなものなのだろう。
そして、仕方ないけど、翻訳も読みづらかった。
さらに、筋立ては悪くないのに、世界観が急激に大きくなりすぎたところも分かりにくい要素のひとつだったと思う。
闇と光の対立までは分かりやすい。
その上に、次元の異なる「上つ魔法」があるのもなんとなく分かる。
で、失われた国、は、どこに所属しているのか?
老女は誰もがひれ伏す女神のような存在だけど、最初は光の所属、古老の1人と言われてはいなかったか?実は何者?
ウィルとブラァンの冒険では、この法則が揺れまくる。
ここでは光の魔法は使えないとか、ここは上の魔法の管轄だとか、急に変わりすぎ。
法則が分からないので、作者がご都合主義的に魔法の使える使えないを決めているだけのように読めてしまう。
しかも、ウィルは、なぜそうなのかは分からないのに、ここでは光の魔法は使えないとか、その場に行ったら分かる、というのは読者への説明を投げ出しすぎだと思う。
ファンタジーはある程度理不尽な世界観に則るものだが、なぜ理不尽なのか、理不尽なりの説明は必要。
そこら辺の欠点が、巻を追うごとに目について、これが初期ファンタジーの傑作、というのは納得がいかなかった。

登場人物ひとりひとりはちゃんとキャラが立っていて、可愛く、応援したくなった。
主役じゃないのに、ジョン・ローランズがいい味出していた。
あれほどツラい目に遭ったのに、彼は人間のいいところ、強いところを1人で体現していた。素晴らしくカッコよかった❗

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月19日
読了日 : 2020年8月28日
本棚登録日 : 2020年8月28日

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