山田風太郎ミステリー傑作選 1 本格篇 (光文社文庫 や 23-1)

著者 :
  • 光文社 (2001年3月1日発売)
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本棚登録 : 193
感想 : 33
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重厚な短編集だった。どの話も沼が深い。どんでん返しが多くありきたりな着地を見ない。
どんでん返しが凄まじく、最後になんとも言えない絶望が残る【厨子家の悪霊】、幕閉じでまさかのカラクリが発動する【笛を吹く犯罪】、友人のやりきれない最期と哀れな運命が哀しい【墓掘人】、そして、人間荘というアパートを舞台に繰り広げられるドロドロの人間劇をのぞきみる中編【誰にでも出来る殺人】が特に印象的だった。
それ以外の短編もどれも個性が強くおもしろかった。

山田風太郎自身医学を学んでいたからか、登場人物に医学生が多かった。またほとんどの話で、女性が事件の中心にいる。その女性は聖女であったり魔性であったりそれぞれだが、彼女の色香で破滅へと踊らされる男たちの物語が多かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年4月19日
読了日 : 2021年4月19日
本棚登録日 : 2021年4月19日

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