綺麗な表現に触れられそうな気がしてチョイス。
珍しく全員知ってる(が、ちゃんと読んだことはない人ばかり)
素敵表現は一人目、中勘助の作品「島守」にたくさんあった(自然の音が満ち満ちてた。例えば“雨の音はなにがなしものなつかしい、恋人の霊のすぎゆく衣ずれの音のように”)けど、話としては別段面白いわけでは無いような。
ずっと島で暮らすのかと思ったら帰るんかい……
二人目、寺田寅彦は短いのが3編。あらすじにも採用されてる「団栗」は子どもの無邪気さと重なって確かに切ない話。
三人目、永井荷風。
インテリ過剰だわー。
まず友達との手紙のやり取りが候文で、なにかと言えば漢詩の引用の嵐、最後はフランス語か?の詩を挙げてくる。
お話自体は、「今どきの町育ちの若い娘に、江戸時代の音曲やらそうったって、活字は読めても草書も変体仮名も読めず井戸も知らないんだから、土台無理な話だった」という懐古趣味の紳士たちのエピソードなんだけど、明治ですでにこうなのか……
装画 / 安井 寿磨子
装幀・題字 / 緒方 修一
底本 / 『中勘助全集 第四巻』岩波書店、『寺田寅彦全随筆一』岩波書店、『現代日本の文学II-2 永井荷風集』学習研究社
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2023
- 感想投稿日 : 2023年2月1日
- 読了日 : 2023年1月31日
- 本棚登録日 : 2023年2月1日
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