「居酒屋ぼったくり」シリーズ最終巻。
美音と要の結婚が決まり、「ぼったくり」にも転機が訪れる。
店舗だけだった建物を二階建てに改築し、店舗兼住宅とし、新婚夫婦が住む。
その工事に合わせて、店舗部分も改装することになった。
前作、10巻で工事のための休業に入ることとなり、その時点で、美音と馨の両親の代から続いてきた「ぼったくり」の営業は終了になった。
だから、この11巻は、今までと少々作りが違うかもしれない。
丸々、結びと再生の巻かもしれない。
常連さんたちのあれやこれやの、店でのやり取りが好きだったので少々寂しいが、ぼったくりの店舗を親子で手がけた大工のショウタが父の仕事を"改築"という形で引き継ぐ心意気、美音と要の新婚旅行、姉が実家から巣立つという形で独り立ちすることになった馨の成長など、思い残すことなきよう、ていねいに描かれている。
何よりも、お酒、とりわけ日本酒のお話。
美味しい料理が出てくる小説、レシピも載せてくれている作品も多いが、「ぼったくり」の特色と言えば、お酒と蔵元の紹介だ。
それも、高級品の披露というより、興味を持った読者が買いやすいよう、情報が提供されている。
今回は、美音と要の新婚旅行を使った「特別編」でもあるような。
サプライズでお祝いをしたい、と毎日、ショウタの仕事を中断に来る(ように見えましたが…笑)、善意の人たちが微笑ましすぎでした。
お幸せに。
新世代の「ぼったくり」の繁盛と発展を祈っています。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年8月30日
- 読了日 : 2019年8月30日
- 本棚登録日 : 2019年8月30日
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