殺伐とした事件が起こると、ワーカホリックな刑事が寝不足と煮詰まったコーヒーに辟易としながら事件解決に邁進……ていうのを読み慣れているせいで、とても新鮮でした。
フランスの田舎警察の警察署長(といっても署員はひとりなので、ほとんど交番のおまわりさん的な役割)の主人公が、田舎生活を満喫しつつ、ロマンスもありつつ、どっちかっつーとコージーミステリ的な雰囲気で、惨殺事件に決着をつけるというお話。
でも、あくまでもコージーミステリではありません。(ここ、大事)
EUという名前に変貌したヨーロッパの経済その他を背景に、人種差別や、第2次世界大戦の暗い歴史を網羅したミステリで、好青年の署長も実は過去のある切れ者。脇を固める村人たちもなかなか味があって、続きが愉しみなシリーズになりそうです。
読み終わって、間違いなく現代フランスのミステリなのに、なんだろう、江戸の捕物帳を読んだような安定感があったのが不思議だったなー。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2011年12月12日
- 読了日 : 2011年12月9日
- 本棚登録日 : 2011年11月26日
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