グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社 (2019年4月27日発売)
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本棚登録 : 157
感想 : 20
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「グラドルに対する『常識があぶない』…?職人はだしの仕事術に目からウロコの意欲的新書」
千葉県出身、芸能事務所G.P.R所属の「尻職人」こと倉持由香ちゃんの初めての著作となる新書です。
近頃は青年誌に限らず、バラエティ番組やeスポ・webメディア等々、グラビアアイドルの枠を超えた活躍を続けるもっちーが、この度まさかの文壇デビュー。かつて某深夜番組で「私のお尻に入れてください」とか抜かしてた頃から考えると隔世の感があります。
「打算と反骨」なるTバックばりの過激な文言の並ぶ表紙が耳目を集めますが、頁を捲るとハッタリは皆無。経歴からグラドル的仕事術まで5つの章とおよそ2~3頁の節に整理された「です・ます」調の構成はブログの様に読みやすく、またタレント本にありがちな暴露話や自分を大きく見せたニュアンスの無い等身大の文体で、ひいき目抜きにしても楽しく読める内容となっています。
第1章では自身と「#グラドル自画撮り部」の経緯について記されています。「グラドルって、子供の頃からチヤホヤされてたんでしょ?」という何となく持ってるイメージをひっくり返すイケてないエピソードの数々で掴みはOK。淡々と語られていますがそんな中大手メディアや業界に振り回された話では微かに色をなしています。
グラドルオタク的には後半に綴られている「自画撮り・タレント戦略・仕事術」が出色。無性に鏡へ尻を向けたくなる自画撮り術はポーズや衣装に限らず背景・小道具・ストーリー性まで掘り下げた解説でプロの技巧を自ら丸裸に。「そこまで狙って撮っていたのか…」と驚かされます。
そして仕事に対する姿勢と想いを綴った「タレント戦略・仕事術」。とかくグラドルに対して向けられる「こんな しこ゛とに まし゛に なっちゃって と゛うするの」的な偏見の目に立ち向かうもっちー。「マジになれ・自分を出せ・前を向け」と同業者を叱咤する熱き血潮はただ脱いで笑ってできる仕事では無いんだと知らしめるに足る熱量。なかなかグラドル自身から仕事に対して率直に語られる事が無いだけに「いいぞもっとやれ」と思わずにいられません。
言葉の節々にグラドル界がもっともっと大きくなって欲しい想いが感じられる故、非オタクにこそ手にとって欲しい本著。彼女と同じダメ三冠王の「おじさん」に当たる私と致しましては「えらいっ」というクソリプをもって賛辞に代えさせて頂きます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2019年5月3日
読了日 : 2019年4月30日
本棚登録日 : 2019年5月3日

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