洋楽パンクが大好きな、頭の中がごちゃごちゃの優しい高校生の女の子と同級生たちの話。なんというか、変にいきがっていない地に足の着いた高校生たちが可愛い。自分が高校の受験時代に読んでいたらむしろ距離を感じたかもしれないが、高校時代にこの本に出会えた人がいたとしたら羨ましい。
芥川賞のあと、受賞作を読んで、さらにこの作家の特集をアエラで読んで、とてもひかれるものを感じた。それは、彼女の作品の中で、彼女が題材にしやすいのだろう母子家庭のなかの親子の関係が、子供の側からしっかり観察されているところにあり、その信頼感を裏切らないような人柄が記事に表れていたからではないかと思う。作家は文体や題材に試行錯誤を重ねて、色々なジャンルに挑戦していくのだと思うが、こういう本をたくさん書き続けてほしいと私は思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
普通の小説(和)
- 感想投稿日 : 2011年11月15日
- 読了日 : 2011年11月15日
- 本棚登録日 : 2011年11月15日
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