そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

  • 亜紀書房 (2018年4月25日発売)
3.89
  • (29)
  • (42)
  • (25)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 595
感想 : 53
3

鼎談形式ではあるが、内容はかなり高度。それだけに議論が錯綜し、わかりづらい印象がある。しかし、本書の主張は一貫しており、左派(リベラル)も反緊縮経済政策を訴えよう、というのもである。日本の左派は、人権などの問題と経済とを別問題と考える傾向がある。それをあらためようという主張。社会福祉へ財政を投入すればそれが雇用を創出し、経済も活性化する。要は経済の舵の切り方を右派と違う方向に切ることで、経済を発展させ、かつ福祉も充実させようというとする試み。魅力的な考え方ではあるが、はたして本当に債務超過に陥っている日本で、財政出動を積極的に続けることができるのか、不安がぬぐえない。もっと、勉強をしないといけないと思わせる1冊である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月4日
読了日 : 2021年2月4日
本棚登録日 : 2021年2月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする