新装版 猿丸幻視行 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2007年12月14日発売)
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本棚登録 : 350
感想 : 32
5

柿本人麻呂の和歌が好きなので本書を手に取った。
(ほとんど)折口信夫が主人公で、友達の柿本といろは歌の暗号の謎を解くのがおもしろい。和歌の文字数の制限がある上に意味も通して、さらに沓冠などの言葉遊びも入れるなんですごい。そんなジャンルがあるんですね!

だんだん因習のある村が登場して不吉な雰囲気を出すのが上手いので、読んでいてぞくぞくした。面白いのでこの辺りから一気に読めてしまった。

物語は折口の視点で完結しているので、なぜ主人公を折口にせず現代の香坂の視点が無理やり用意されたのか疑問だったが、解説で論説の話に触れられたので納得した。
香坂の金沢にいる母の旧姓は猿丸で、猿丸額も引き継いでおり、折口の事も知っていたけど柿本悦子と血の繋がりがあるのかしら?本人?
事件の真相は理解できたけど、考え方の違いでせっかくの血筋と口伝を絶やさなくてもよかったんじゃないかなあとは思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月13日
読了日 : 2021年5月13日
本棚登録日 : 2021年5月13日

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