選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2021年4月6日発売)
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本棚登録 : 33
感想 : 4
5

重いテーマであり読み進めるのにはエネルギーが必要だったが、夢中になり一気に読み切ってしまった。
一時話題になった出生前診断について、自分なりの考えを持っていると思っていたが、それはあまりにも浅はかで、多くを知らないなかで持っていた考えであることに気付かされた。
また、助産師などの現場の医療従事者の視点での意見にこれまで触れた機会はなかったため、本書から彼ら彼女らの思いを少しでも知ることができたのはよかった。
議論自体をタブーとすることは何も生み出さず、法と現状の狭間で苦しむ人がでるだけだと思う。明確な結論を出さずに曖昧なままとすることは適切ではない。難しくとも、様々な立場の当事者が意見を出し合い、きちんと法を見直し、今のあるべき姿を議論すべきと感じた。

読んでいて苦しくなる場面も多く、簡単に人に薦められる本ではないと思うが、多くの人に本書を読んで考えてもらいたいテーマと感じた。

筆者のリサーチ力も素晴らしいと思う

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月19日
読了日 : 2023年11月17日
本棚登録日 : 2023年11月17日

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