最初から普通ではないと主人公たちの話。実は特別、というパターンが多い中で主人公たちが最初から特別な存在(羨ましがられる特別ではないが)なので、そのあたりのカタルシスはない。
内容はまとまっていてハッピーエンドかつ話の続きも気になる構成で簡潔。書き慣れて、あるいはこなれている文章なのでこのあたりも熱量やカタルシスはない。形振り構わない力強さというのがちょっと欠ける作品。とはいえエンタメとして読むにはかなり楽しめた。少し怖い現代ホラーを読みたいならばおすすめできる。
少し気になったのがブロマンス風というか、少しBLの気配を感じたところ。指を舐めたり、その指を見つめちゃったりするシーンは蛇足感があった。果たして必要だっただろうか。個人的にはご褒美です!ありがとうございます!という気持ちでしたが。
問題解決後も熱い言葉をかけたり、その言葉に込み上げるものがあったりとしていたので発展しない(肉体的には物理的に無理な設定なので)プラトニックラブ系になりそうな気配を感じました。いやホラー文庫なのでそんなはずないのですが。
そもそもがブロマンスを求めての購入ではなかったので、うさみちゃんの顔をしつつ得をしたのかホラー文庫でいいのか読了後は疑問符を浮かべている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2021年6月15日
- 読了日 : 2021年6月15日
- 本棚登録日 : 2021年6月14日
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