Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
制作 : 伊東フミ 
  • 集英社 (2016年12月21日発売)
3.25
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本棚登録 : 32
感想 : 3

こう言ってはなんだけど、私は結婚式というものに昔から特別な感情がない。結婚式しなくていいしドレスも着たくないしお金かけたくないなーと思ってるクチなので、まず本を開いて「ああ、ウェディングプランナーの話なんだ!」と少し身構えた。Bの戦場、ってタイトルから一瞬色んな可能性を考える。主人公はブライダル会社に勤める絶世のブス。タイトルを見て、この内容は思いつかなかったので。
結論から言うとめちゃくちゃ読みやすくて面白かった!多分ここ半年で読んだ中で一番早く読み終わった。すごく読みやすくて、展開も気になるしサクサク食べられるけど気がついたらカロリーがものすごいことになっているお菓子みたいな。かなり地の文はふざけていてくだけているけど、毒の効いた香澄ちゃんのモノローグがすごくいい。ストレートに面白かった、ご馳走様です。今のご時世だと容姿についてここまでがっつり触れると色んな声が出てきそうだが、とりあえず絶世のブスという主人公のレベルにまで気持ちを落として考えてみると、本当に色んなことがうかぶ。ブスにブスというのはもちろんいけないけど、いい人だねとごまかしたり、あるいは明らかにお世辞で可愛いと言ってみたり、何をしたら正解なんだろう…と、香澄ちゃんの包み隠さない素直な感情が色んなことを考えさせてくれる。多分この辺りは巻数を重ねていけばもっと深い答えにありつける気がするけど、それより一巻でもっと深く味わえたものがある。ウェディングプランナーという仕事への興味だ。うまく言えないが、相変わらず結婚式への憧れはないのだが、それを演出する方の人間が感じるやりがいというのは十分に理解できたし、生業としてのこだわりやプロ意識には非常に関心を持った。仕事に誇りを持っている香澄ちゃんが今後課長とどういうやり取りを交わしていくのか、気になりすぎる。他の本を一通り手をつけたらぜひ続編も読みたい。
(オススメしてくださった方、ありがとうございました!)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月17日
読了日 : 2020年9月17日
本棚登録日 : 2020年9月17日

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