強力伝・孤島 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1965年7月30日発売)
3.51
  • (24)
  • (53)
  • (68)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 577
感想 : 56
4

短編6作どれも大自然の摂理に抗う人の生き様と孤独が描かれており、ともすれば生死の生臭さすら漂わせる描写に五感が刺激され、読み進めるにつけ引き込まれます。

大自然vs人の信念。大自然は山海や自然現象、時には野獣となって抗う人間と対峙し、命のやり取りに転じます。自然の懐に抱かれずして人はどんな未来が待っているのだろうなどと思いながらの完読でした。私が生まれる以前の作品ばかりですが、ストレスフリーで読めました。

『強力伝』力み過ぎて肩が凝りました。
『八甲田山』『凍傷』皮膚がチリチリとします。
『おとし穴』まんが日本昔ばなしに出てきそうな話で結末がなんともイタイ。
『山犬物語』『孤島』山と海、背景は違えど生臭さが鼻をつきます。
五感で味わっていただきたい作品です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月16日
読了日 : 2023年8月16日
本棚登録日 : 2023年8月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする