命もいらず名もいらず 上 幕末篇 (集英社文庫)

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  • 集英社 (2013年5月17日発売)
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5

H30.5.19 読了。

・山岡鉄舟の物語。剣、禅、書を全身全霊で取り組む姿や明治維新前後、幕府側から日本の将来を憂いた姿が印象的。また、若い時に色情の不思議を解明しようとした逸話には、鉄舟も一人の男だったのだと親近感がわいた。
後編も楽しみ。

・「われの思うわれと人の思うわれは違うもの。」
・「人というもの、ついおのれを過信し、他人を見くだす悪癖がある。世の多くの人間が、そう慢心して生きておる。まこと、馬鹿馬鹿しいかぎりだが、とかく人とは愚かなものよ。」
・「世に棲む9割の人間が凡愚と思うてまちがいない。」
・「自分だけが凡愚にあらずと思うておったのではないか。」
・「人は、器量に応じた仕事しか為せない。器量に応じた人生しか送ることができない。器量を広げたいと願うなら、目の前のことをとことん命がけでやることだ。」
・「人のまわりには、そもそも垣根なぞあるものか。垣根をつくるのは自分。こわすのも自分だ。自分でがんじがらめにめぐらせた垣根は、自分でこわさねばならぬ。」
・「生きようとすれば、それが邪念になる。」
・「手柄を人に自慢してはいけない自分のこころに恥じるかどうかだけが、生きる基準だということだ。」
・「生死一如(しょうじいちにょ。)とは、文字通り生と死が、じつはひとつのものであるということだ。」
・「世の中、どんな愚劣なことからでも、学ぶことがある。」
・「だれに対しても、なにごとに対しても誠実であること。それこそが修行の極意だ。」
・「日本の武士は、空意地を張り、弱みを見せないことに生き方の美学を持っていた。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家名
感想投稿日 : 2018年5月19日
読了日 : 2018年5月19日
本棚登録日 : 2017年3月19日

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