この夏は「ゲゲゲの女房」に本当に夢中になった。
ドラマの中で水木しげるさんが、戦争の虚しさを伝えるために『総員玉砕せよ!』という漫画を描くと力強く宣言していて、そのシーンを見たとき、ぜひとも読んでみたいと思った。
タイトルからして今では考えられないような言葉だ(誰がするか!って思う)。
漫画の中で兵たちは「やれんよ」という言葉をよく使っていて、今でいうとたぶん「やってられんわ」という意味だと思うのだが、まさにあんな地獄のような状況で、そして人の命を消耗品としか考えていない上官たちの下で命をかけて戦うなんて僕には絶対に無理だ。
最後の数ページのあまりにグロテスクな描写には、戦争に対する水木さんの怒りがありったけこめられていると思う。
ビックリしたのは、ドラマの中でアシスタントの人(菅ちゃん)が言っていた通り、水木さんの点画へのこだわりが半端ではないことだ。
「これほんまに人が描いたんか!?」って思うくらい、非常に細かく丁寧に描かれている。
おそらく1コマ描くだけで相当な時間がかかっているだろう。
また、レタリングもものすごく上手でため息が出た。
終戦から65年が経ち、戦争を体験した人たちが少なくなってきたといわれている。
戦争を知らないからこそ、その悲惨さと愚かさ、そして平和の意味を考えることは大切だと思うし、日本をここまで豊かな国にしてくれた僕のおじいちゃん・おばあちゃんの世代の人たちに感謝しなければならないと改めて感じた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年6月14日
- 読了日 : 2010年10月16日
- 本棚登録日 : 2020年6月14日
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