最終作戦トリニティ (新潮文庫 ハ 24-3)

  • 新潮社 (1998年3月1日発売)
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本棚登録 : 18
感想 : 1
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R・ハーマンJr.の作品は、米国の軍事政略にかかわるストーリーが多いのですが、本シリーズもスケールの壮大さとディテイルの細かさが相まって飽きさせません。今回の作品は、イスラエルが保有していると思われる戦略核が、イスラエルに対して、アラブ(シリア)により仕掛けられた包囲戦の息ずまる経過の中で、イラクの最新生物兵器が使用される状況への対抗策として報復使用されるのを回避するために米大統領の孫、主人公マットポントスキー中尉が活躍するといった込み入った内容ですが、作者の巧みなストーリー展開でさして混乱せず話はどんどん展開していきます。このシリーズは、壮大で本巻に描かれた登場人物が、後の物語で再登場するなど伏線の設定は、細やかでありシリーズとしての面白さを支えています。また、シリーズのヒーロー達が無情な運命に遭遇するなど波乱のストーリー展開も戦争モノとしての迫真を伝え、アメリカが一人勝ちとなっていないところがリアリティを醸し出しています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 軍事スリラー
感想投稿日 : 2013年4月20日
読了日 : 2012年4月20日
本棚登録日 : 2013年4月20日

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